『天使と悪魔』【立海・切原赤也】
人にボールをぶつけるのが好き。
この上ない快感を与えてくれるから。
人が苦しむのが好き。
痛みから来る奇声は限りなく見苦しくていい。
だから人は言う。
『切原赤也はまるで悪魔のようだ。』
『赤目の悪魔』
いいね、それ。悪くない。
大歓迎だ、悪魔。最高だね。
そんな俺のご近所さんは、同い年の女の子。
って名前。
優しくって、笑顔が可愛くって。
『天使みたい。』
って良く言われてる。
正反対の俺達。
皆は俺を遠ざけようとする。
穢れ無き天使様を地に堕とすのは俺だと思ってるから。
悪魔には眩しい白い羽根。
触れる事すら叶わない聖域。
じょーだん。ふっざけんな。
手を伸ばせばいつでも届く距離。
悪魔には天国も地獄もかんけーねーんだ。
アイツは好きだけど、物凄く嫌いだ。
あの何も知らない笑顔が憎い。
純情そのものって感じだよな。
本気で本当に穢れていない
真っ白な真っ白な天使様。
その笑顔、どうやったら消えるんだろ?
その柔らかい唇を無理矢理、今すぐ奪えば消える?
熱が頭に上る。
目の前が赤く染まる。
が少し怯えた目で俺を見た。
真っ白な羽根を真っ赤な血で染めてやるよ。
辺りに響く、か細い叫び。
地球に降りた最後の天使の最後の叫び。
いいね、快感だ。
これが俺の本性。
これが俺なりの愛し方。
だって俺、悪魔だから。
(それでもお前が好きだということには変わりは無くて)
『本音と建前』【氷帝・向日岳人】
おいテメエ、何考えてんだ。
ジロジロ人の顔見んなよ。失礼だな。
ンだよ。髪の色が変だって?
テメエ目、腐ってね?良く見て見ろよ。
つやつやサラサラで綺麗だし、すっげーカッコいいだろ?
そうでもない!?
なんだよっ!くそくそ即答しやがって。
・・・まあ、確かにテメエの方が、綺麗だけど。
はあ?お世辞??
ンなもん言うかよばーか。
深く考えるなんて、ばっかみてー。
俺のノーミソは単純明快。
建前なんて考えてられるかっつーの。
男ならどかんと本気で勝負。
飾り立てる必要も無し!
だから俺の言う事、良く聞いとけよ。
何言うかわかんねーからな!
ぽろっとスゲー事言うかもしれねーぞ!!
聞いとけ。
お前が好きってのも本当なんだ。
(ぶっちゃけ、言葉じゃ言い切れねぇほど)
『理想と現実』【立海・柳蓮二】
好みのタイプ:『計算高い女』
自分の性格に合いそうな奴がいい。
余計な事を口出さず、常に自分に得になるように行動する女。
理想的だ。
だが今現在俺の近くにいるのは・・・
と言う名のごく普通の女子。
良く笑うし、良く泣く。
簡単に怒れば、簡単に機嫌を直す。
ころころころころ表情が変わる。
だが不思議と一緒にいても全く疲れを感じない。
何故だろうか。
良く解らない。
元々大して女には興味が無かった。
そこで間違っても俺が同性愛に走った、とは思わないでくれ。頼むから。
俺にはデータがあるし、テニスがある。
全てのもの一つ一つに説明がつけられる。
俺に理解できないものは無い。
それが現実。
それで十分満足していた。
『女』なんて未知の世界にわざわざ足を踏み入れる必要は無いと思っていた。
今まで後輩や同学年の者
色々な奴が無様に振り回されているのを見た。
ああにはなりたくないと思ったものだ。
事実、いつも締まりの無い顔をし、弦一郎に怒鳴られていた。
喧嘩をすれば慌て、焦り
仲直りをすれば涙を流して相手を抱き締める。
下らないな。
そこに現れたのがだった。
一年の頃から見ていたそうだ。俺の事を。
・・・気付かなかったぞ。
こっそり見ていたそうだ。この二年間と少しの間。
どれ位の時間見ていられようが、
どの様にして見ていようが
俺には全く関係無い。
「すまないが・・・」
一応女子と言う事で、丁寧に断った。
母親も父親も姉も、女性には優しくしろと言っていた。
断る時はどうしても傷付けてしまうから
自分の出来うる限り丁寧に断った。
それなのにアイツは泣いた。
俺の所為なのか。
罪悪感を感じずに苛立ちを感じた。
大体無理な話だ。
俺はの事を一つも知らない。
存在と名前くらいは知っていたが。
それ以外何も知らない。
全くもって不愉快だった。
理解不能だ。女なんて。
それなのに何故俺は今の傍にいるのか。
俺の理想、そして好みの女性は『計算高い女だ』
全てにおいて計算し
無駄は一切省く。
理想的だ。
だが俺が気になり始めたのは180度正反対の女。
一度振ったと言う名の女子だった。
(所詮は理想と言う事か)
『右手と左手』【サウスポーキャラ】
左手はラケットの為に。
マメが出来ては潰れ
潰れては出来て
硬くなって、ザラザラで
それでもまだまだまだまだ続けよう。
この自分の一種の存在理由。
右手は例の、あの人の為に。
繋いだ暖かさを分かち合って
遠い地平線に沈む日を見ながら
今日も一緒に帰る為
(車道側を歩くのは、姫を守る騎士の務め)
『理性と本能』【】
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